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十三にて

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こんばんは。

ずいぶん昔のことですが、仕事で大阪・十三に行くことが多かったのですが、今は阪急十三駅前も再開発されるのか古びたスナックなどが立ち並んでいた細い路地も取り壊されてせっせとなにやら工事が進んでおります。

古びたスナックに通うわけでもないのに何をそんなに十三へ足繁く通っていたかというと、雇用保険関係の書類をハローワーク淀川に提出しに行っていたのであります。

まぁ、そんなことは良いのですがとにかく下町感がすごい十三の町は素面で歩くのはちょっとおっかなく(酒が入ると平気、というのもそれはそれで怖いですが)、近道の細い路地も早歩きで通り抜けていました。

酒場の数だけドラマがある・・・的なセリフは掃いて捨てるほど巷に転がっていますが、わたしも真昼間の十三にてドラマのCM・・・くらいのものを見かけたことが一度だけありました。

今はなき、十三の細い路地には前述のとおり古びた居酒屋ともスナックともつかないお店が長屋のように連なっていて、午前中だろうが昼下がりだろうが半開きの引き戸からカラオケの伴奏と酒焼けしたババァが歌うドリカムの「LOVE LOVE LOVE」が聞こえてきたりしていました。
「ねぇ~どう~して~」じゃねぇよ。こっちがききてぇよ。

その日は男女が店の外に出て何やらボソボソ話し合い・・・。
よく見ると女性はわりと年上に見える。昨日は家に帰らないまま出勤したのか、やさぐれたメイクでなかなかの妙齢に見える。

だからって男性が若くてシュッとしていたかと言われるとそうでもなく、全盛期(?)の柳沢慎吾のようないでたち・・・。

「やめときな、まだ若いんだし・・・あたしと関わったらロクなことにならないよ・・・」
なぜか大阪弁ではない女。酒も入っているのか、足元がふらついている。

「いや、ボクは大丈夫」

「ダメだよ・・・」

「いやだ!ボクは貴女とチョメチョメしたいんだ!!」



・・・・・・聞き違いだろうか?
幼少期とは言え、昭和を生きたものなら「チョメチョメ」の意味は自身で使ったことはなくとも理解している。
えっ、今の叫びは彼的には決め台詞なの?これは世間的にかっこいいセリフなの?

思わず振り返ってみてしまったが、二人はかわらずフランスの恋愛映画が串カツソースに浸ったかのようなけだるいムードに酔っている。

ハローワークで手続きを終えて元来た道を戻ると二人はもういなかった。

店の中に大人しく二人で引っ込んだかもしれない。
近くのホテル街に消えたかもしれない。
別々の帰路に就いたかもしれない。

ま、なんでもいいんですけど。

人生には時としてあれはなんだったんかなぁ?ってことがありますよね、って話でした。



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タグ:十三
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